自己組織フェス2023秋
10.19 スタート!
9.28, 10.14 無料説明会
「この社会で自由に生きるとは、どういうことなんだろう?」
これは、私が、20代のときから持ち続けている問いです。
この問いについて考えるためには、物理学が必要なんじゃないかと直感して、物理学科に進みました。
物理学科では、数学という「言葉」を使って考えることや、コンピューターシミュレーションという新しい「顕微鏡」で数理世界を観察することを学びました。
その結果、この問いについて考えるための「語彙」が増え、問題をクリアに考えることができるようになってきました。
19世紀までの人類は、必然と偶然という二元論で考えていたのだと思います。
ニュートン力学の登場によって、機械論的世界観が拡がると、世界が「必然」で埋め尽くされているというイメージが優勢になりました。
でも、そうなると、創造とか進化とか意志とかが存在する余地がなくなってしまいます。
「必然」ではないものとして「偶然」が想定され、そこを扱うために「確率」という概念が導入されました。
ダーウィンの進化論は、ランダムな突然変異という「偶然」と、自然選択という「必然」の組み合わせで構成されているのです。
20世紀の物理学は、「必然」と「偶然」の「あいだ」を開いていきました。
私が専門的に研究していた複雑系の科学は、「ゆらぎを通した秩序」という考え方を提出しました。これは、現実の背後にあるポテンシャル構造が変化して、今まで安定だった構造が不安定化し、複数の安定構造が新しく生まれるという考え方です。特定の安定構造に向かうという意味では「必然」ですが、どの安定構造に向かうのかは「偶然」に左右されるため、「必然」と「偶然」の「あいだ」になっているのです。
量子力学も「あいだ」の存在を示しました。波動関数が潜在的な確率分布を表し、電子や光子は、その確率分布に従って観測されるのです。確率分布に従うという意味では「必然」ですが、そのどこで観測されるかは「偶然」に左右されるのです。
生成AIは、「あいだ」を活用したテクノロジーです。文法規則に従ってアルゴリズム的に言語を生成する取り組みが、ことごとく失敗し、言葉と言葉の連なりの確率分布から、人間が理解可能な自然な言語が生成されてくるという試みが大成功を収めたのです。
この社会で自由に生きるとは、「必然」に忠実に従うのでもなく、「偶然」に翻弄されるのでもなく、その「あいだ」で生きる行為なのではないかと思います。
私は、この「あいだ」を、どのように捉えたらよいのかを模索し続けてきました。様々な実践をしながら、同時に、仏教の言葉、現象学などの哲学の言葉、トランスパーソナル心理学の言葉、複雑系の言葉、などを組み合わせて実感していることを表現しようと挑戦してきました。それをまとめたのが、『出現する参加型社会』です。
しかし、その後、量子コンピューターや生成AIが発展し、「あいだ」を現代的に語り直していく可能性が生まれてきました。
「必然」に重心を置いた近代社会が終わりを迎えつつある今、「あいだ」に重心を置いた新しい社会が生まれつつあります。
20代から抱えてきた問いは、今、次のように転換しました。
「一人ひとりが自由に生きられる社会とは、どのようなものなのだろう?」
それが実現する新しい社会について、一緒に考えていこうとしているあなたに、今まで考え続けてきたことを動画にまとめて、思考ツールとして活用してもらえるようにシェアしたいと思います。
ご参加をお待ちしています。
新しい社会を本気で模索したい人
TSUMUGU-HITO
自由に遊び、実験し、発見することができれば、そして自由に失敗できれば、何を作り出せるだろう?
組織化しようとする人生の自然な傾向と協力したら、何を成し遂げられるだろう?
自己組織化フェスと地域の物語を紡いでいきます。
TSUNAGU-HITO
ゆっきーです。私は「生命とは何か?」「物質の集まりである生物に生命が生じるのはどうしてなのか?」というテーマに自然科学や心理学や哲学を学んできました。自分自身が生きている実感や、自分が自分であるという感覚が薄かった私にとって生命は実存的なテーマでもあり、同時に、自然や神と切り離され、人と人とのつながりも希薄になった近代社会の時代的なテーマでもあると思います。
私たち一人一人が思い思いの人生を十全に生きるためにはどうしたらいいのか。共に生きる人々がその生を十全に生きられるような参加型コミュニティや参加型社会を作るためにはどうしたらいいのか。現代を生きる私たちに生命を繋いできた人々や生きものの存在を受け取り、私たちの生命を繋いでいく人々や生きものにどのような社会や自然を継承していくのか。私たちは、自然と生命からまだまだ多くの知恵を学び伝えていくことができそうです。自己組織化は、その核となる知恵だと思います。
自己組織化は、生命にとって本質的な、個と全の相補的な生成のプロセスです。自己組織化の流れの中に生まれる場は、一人一人のいろとりどりの多様な生命が輝く、唯一無二の生きた場になります。
今回の「自己組織化フェス」に、たまたま集まった皆さん一人一人との出会いによってどんなことが生まれてくるのか。私も皆さんと一緒に、場に飛び込んで体験したいと思っていますので、よろしくお願いします!
自己組織化 初級者。
好きなことばかりやっていた20代。最長お勤め歴22年を経て、「時代の中に生きる自分ではなく、現在、将来 私はどのような時代を生きたいか」をもう一度考え始めたとき、自己組織化との出会いでした。
このコミュニティには、様々なアプローチで語り、実践するメンバーが集まります。
自分の中で埋まらない、つながらないと感じていた思考や行動が、対話するうちに整えられていき、恐れやこだわりは、勇気や大切にしている事柄に血を通わせるのに必要なファクターだと気づけました。そして、それを受け止めてくれる場の体験があります。
自己組織化フェスは、参加者皆さんそれぞれの体験の渦に 巻き込まれることを楽しみにしています。